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登録文化財のメリットとは

登録文化財 > 登録文化財とは
登録文化財所有者の皆さん、または協力者の皆さんからの質問、お困りごとありましたらお聞かせください。
登録文化財のメリットとは・・・登録すると適用される優遇措置
地価の高い地域で、相続税の免除が受けられたとき、大きなメリットになる場合がありますが、その他は正直、「ほとんどメリットはない」と考え、過剰な期待はしないように。
ただあまりにメリットがないため、文化庁系ではなく国交省系がフォローしてくれるようになりました。景観形成やまちづくり、観光にシフトした保存・活用案作成や外観整備工事費への補助金が用意されつつあり、その場合「登録文化財」であることがとても、とても有利に働きます。市民への説得力として何より「文化財」であることが効果的だからです。

文化庁パンフレット「登録有形文化財建造物のご案内」(PDF4.07MB)>>

1. 保存・活用するために必要な修理の設計監理費の2分の1を国が補助 
これはbig liar or trick?筆者もひっかかりました(; ;)::)
文化庁HPより「登録有形文化財建造物修理事業費国庫補助要項」
が、ここで朗報!2010年9月には文化庁主催、修理関係者講習会が開催され、これで下記「資格者」要件を満たすかもしれません。そうしないと8000件以上もの登録文化財の修理、保存、活用できませんものね。
今までの解釈と運用

文化財として登録して、これからも末永く活用するための改修や増改築が必要な場合、我々ヘリテージマネージャーや建築士が相談を受け、提案や設計監理を担っていきますが、「普通の設計事務所」ではこの国庫補助がいただけないのです。
4990217810修復の手帖 [vol.3] 100年先の修復を考える-伝統技術の継承
文化財建造物保存技術協会
文化財建造物保存技術協会 2007-03-01

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補助を受ける設計監理のためにはなんと厳しい「資格者」の助言・指導が義務づけられています。(補助分がほとんどこの助言費に消えます。でも専門家の助言は何物にも代え難いときがあります。ご一考を。)
資格者についての詳しくは、「登録有形文化財建造物修理にかかる設計監理技術指導者の承認基準」(H9文化庁保建第181号)にありますので、よく確認してみてください。修理や活用の必要なときに迅速に受けられない、時の間に合わないことがほとんどで、利用しにくい制度です。

具体的には、登録文化財といえ、指定文化財並みの修理をする場合にしかこの助成は受けられません。奈文研や文建協などの主任技術者の助言がないと指定並み修理の設計監理は、通常の設計業務しか経験していない設計事務所にはなかなか設計できません。

よって、指定並み修理を目指す場合にはまずこうした技術者を見つけなければなりません。ただでさえ日本国中文化財修理にかけずり回るこれらの技術者をつかまえるには多大な費用が必要となります。国や県などときちんと協議して、情報をもらって登録文化財修理を考えましょう。100915


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2. 敷地の地価税を、なんと、2分の1に減税
地価税法施工令第17条第3項による。しかし↓sorry!!
「地価税」とは、バブル時の地価高騰を抑制する目的で導入された税で、基本的には、「相続税評価額」に対して0.3%課す税。バブル崩壊後の'98年度以降、課されていないらしく、例外を除いて今のところ実効性(メリット)なしのようです。

3. 相続税 建造物とその敷地の国税「相続財産評価額」を3/10控除
国税庁通達による。’04年より施行。new!!!
建造物はともかく、その敷地とはどの範囲まで認められるか?
答え:「敷地」とはあくまで建造物と一体をなして価値を形成している土地のこと。最低限、建造物の水平投影面積と、控えめに、考えてください。アプローチや門・塀・建物と一体化した庭園などをどこまで含めて控除対象とするかは、課税する側の判断となるようですので、一概に全敷地を指すわけではありませんので、ご注意下さい。(筆者も誤解してました(; ;)::)より広範囲の敷地を対象に税控除を促すためにも、付属施設も含めた登録対象物件の「申請漏れ」のないよう気を付けましょう。
できたら建物と庭園空間がもたらす全環境を含有して、残していきたいものです。建物は「登録有形文化財」、そして外部空間は「登録記念物」とセットで取り組むことも大事ではないでしょうか。登録記念物もいくらか税的にメリットもあるようです。new merit!! 

4. 登録文化財として登録された【家屋】の「固定資産税」(&都市計画税)を2分の1に軽減(地方税法) ・・・a little?
固定資産税の家屋評価入門―平成21年度(基準年度)改訂版固定資産税の家屋評価入門―平成21年度(基準年度)改訂版
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登録有形文化財である家屋に係る「固定資産」及び「都市計画税(都市計画事業などへの目的税で、市街化区域内の土地・家屋にかかる税)」については,課税標準となるべき価格が減額される。」('05.01施行)とあり、なかでも、固定資産税の課税標準となるべき価格を2分の1に軽減するということが明言されています。
が、築50年以上の建物の固定資産税が一体、いかほどか?

また「都市計画税も軽減」もありますので、詳しくは管轄税務署に聞いてみてください、文化庁ではわかりません。

いずれにせよ、都市部と郊外では税的なメリットに差があるのが気になります。また、所在地により違うことは要注意です。
登録文化財の固定資産税について>>

「文化庁の施策」から税制について→


4004306957日本の近代化遺産-新しい文化財と地域の活性化 (岩波新書)
伊東 孝
岩波書店 2000-10

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8. 改修などに必要な資金を日本政策投資銀行より低利で融資
「融資条件等詳細については金融機関にお問い合わせ下さい」と付記されています)
「日本政策投資銀行は、ダイエーなどの事業再生、産学官連携、社会・環境活動など、「政策性」が高いプロジェクトに「融資や投資」をする「特殊法人」。経済社会の発展などが目的でそれにより、日本の政策に金融上の寄与をすることをめざす。」らしいが、実際のアプローチは不明。近畿では大阪にDJB関西支店があります。

6. 国(文化庁)から名誉ある登録文化財の証「プレート」がもれなく授与されます
登録が完了した暁には官報告示され、登録番号・登録証が交付されます。そして、その証がこれ。
登録文化財プレート 日本キリスト教団大阪教会
日本キリスト教団大阪教会(土佐堀)のプレート
登録ナンバーと『この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁』
と記されています

以上、文化庁「文化財登録制度のご案内」2005年バージョン、文化庁公式HP、Wikipediaなど参考

注意:税法上の措置については、税務署や税理士さんにご確認ください。

国宝や重要文化財、都道府県・市町村の指定文化財ならもっと手厚いメリットが・・・と思われるかも知れませんが、それはそれで大変なようで、優遇と同時に多くの義務、責任があるそうです。たかが「文化財の登録」ではなく、制度の意義を考えましょう。(自省をこめて)
4540083058景観形成と地域コミュニティ―地域資本を増やす景観政策
鳥越 皓之 藤村 美穂 家中 茂
農山漁村文化協会 2009-02

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7. 景観関連の指定建造物への近道
登録文化財に登録されたことはひとつの証。特に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」を登録理由にした建物は、そのまま景観法の主旨に基づく指定要件にも重なります。文化財行政的に古くから考えてきたことが、ようやく国交省系の「景観法」の中で認められ大事にしようとの機運が高まってきました。

なにしろ、国交省系の財政は桁違いに豊かで、どんぶりです。景観法系の指定建築物になると、外観改修に工事費の1/3,300万などの助成が受けられます。もちろん納税者の理解、コンセンサスが必要ですので、地域におけるその建物の意味は重々鑑みて、相談してみましょう。

ここで、問題。文化的価値の認識と地域の景観要素としての認識はたやすく歩み寄れる事象ですが、ただまだ文科省系と国交省系の縦割り行政的な隔たりは大きく、まだまだ「協働しようとする姿勢」は見当たりません。そこでヘリテージマネージャーや文化財マネージャー、景観サポーターらをはじめ誰でもいいですので、「地域の大事な建物、事物」に気付いた方は、この両方の行政に呼び掛けてみましょう。

地域の行政的には、文化財室(社会教育や生涯学習系)と景観課(都市計画、まちづくり系)がそれにあたります。景観系には「文化財的視点」が欠け、文化財系には、地域への視点が欠けていることを感じます。ぜひ、連携を!

登録文化財相談フォーム>>


8. 保存活用のための工事の時、「文化財を補修する」目で、気持ちで工事してもらえるかも。
登録に当たって、国や、県、市町村の文化財に理解と、知識のある方々と上手に知り合って、今後の改修時に助言を引き出せるおつきあいをしていきましょう。税金で培った公務員力には脱帽します。

愛する建物をなんとかしたいとお考えで、何か困ったことがありましたら、経験談ぐらいは話せますので、お気軽に連絡くださいね。
問合わせ>>

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山本 直治
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4344980786公務員の異常な世界―給料・手当・官舎・休暇 (幻冬舎新書)
若林 亜紀
幻冬舎 2008-03

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9. 登録文化財のある府県や市町村の自治体に一棟当たり数万円の交付金が国から支払われるそうです。
うまく文化財の維持・活用に使われるといいですね。

10. 登録文化財にしてから指定文化財に、もあり。
都道府県や市町村の指定文化財を、後で、国の登録文化財にすることはできませんが、その逆はOKです。行政の担当者の方、疑わしいならまずは国の登録文化財にしてしまいましょう。
4641280029地方分権のための地方財政改革―補助金制度と地方交付税制度の問題点 (有斐閣選書)
吉田 和男
有斐閣 1998-09

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