伝統構法の【耐震補強】柔と剛
兵庫建築士会古民家再生部会が国交省の担い手事業の補助金で開催した「簡易限界耐力計算」講習会も110218終了。伝統工法の良さを生かした耐震診断を特製ソフトで可能にすることで、意匠系の我々建築士にも計算を可能にする取り組みです。
素晴らしい講師陣に脱帽、しっかりその意志をつないで安全で日本文化を遺していきたいものです。
さて、まずは新鮮な頭で耐震診断・補強の要点。
壁強度ではなく、建物全体の「粘り強さ」で地震に抗している伝統構法の建物の耐震診断は限界耐力計算法が有効で、その結果、変形が概ね1/15以上の場合崩壊が予想されますので、補強が必要となります。・・・2.7m階高で18cmもの変形に建てられるとのことですが、実は仕口がそれ以前に崩壊する可能性もあります。
素晴らしい講師陣に脱帽、しっかりその意志をつないで安全で日本文化を遺していきたいものです。
さて、まずは新鮮な頭で耐震診断・補強の要点。
建物重量は地道に計算
荷重を減らすこと
壁を増やすとその重量を補強後重量に加算し忘れないこと
あくまで余裕部分として仕口ダンパーを使用(ダンパー屋さんごめんなさい)
下屋とのつながりは要注意 主屋と縁を切った計算にするかどうか。(これがミソ)
小壁(垂壁・腰壁)による柱の「折損」に注意・・・柱折損補強が必要
十分収斂されるまでは、セカンドオピニオンでダブルチェックすること
水平構面の補強はできる限りすること・・・小屋組みにブレース、屋根下地に構造用合板などといわれます。屋根下地にボンドの入った合板は抵抗ありますが・・・。
JSCA関西提供のソフトとの連動でより便利に正確に
壁強度系の壁補強(筋違や合板)は、安全限界には無効・・・限界計算にはのらない
過剰な補強での浮き上がりに注意
限界耐力法の目指す変形角・・・1/18、でどうでしょう。110606
1/20という目安もあり。できたら1/30とも。これは個別の建物特性を考えて判断すること。粘り強いヒノキ普請と杉普請でも違うし、大規模な講堂と小規模な茶室のようなモノでは違います。
台風などの風当たりの大きな立地の建物である場合など、別要素の構造補強の検討も必要です。
壁強度ではなく、建物全体の「粘り強さ」で地震に抗している伝統構法の建物の耐震診断は限界耐力計算法が有効で、その結果、変形が概ね1/15以上の場合崩壊が予想されますので、補強が必要となります。・・・2.7m階高で18cmもの変形に建てられるとのことですが、実は仕口がそれ以前に崩壊する可能性もあります。
![]() | 民家再生の実例 全国事例50 日本民家再生リサイクル協会 丸善 2009-01-28 by G-Tools |
崩壊の恐れ
伝統構法の建物は、建物自体が大きな変形にも耐える建物ですが、古い建物の場合、小さな地震でも、劣化が原因で弱いところが簡単に破綻する可能性があり、その場所が主要な構造部分であったとき、建物が一挙に崩壊する恐れがあります。これが伝統構法の恐ろしいところです。かといって、木筋交いや鉄筋&ターンバックル、ましてや合板で突然強固な壁を作って補強してはいけません。
「柔」には「柔」
建物の特性を考えて「限界耐力計算」によりその耐震性を診断した以上、その示す弱さがわかった場合は、「柔」には「柔」でもって抗すること。
ということで、耐震補強ツール(金物)としては、まず、劣化・損傷部分の補強と柱脚部の足固め(根絡み)を行った上で、「木材の変形やめり込み」と追随でき、それを補完できる「耐震部材」を使います。荒壁パネルや耐震リング・仕口ダンパー(QM含む)などの変形力を吸収する認定部材が好例です。
耐震リング・仕口ダンパーの難点は、ひとつずつの耐力が低く、これだけを補強要素に使うと大量に導入しなければならず、一カ所1万円とすると、50-100万円もかかります。また、目に入るところに使うとやはり目障りを感じます。しかたないですが・・・。

「仕口ダンパー」がオーソリティーですが、その他にも認定を持つ新製品も続々と発売されています。
いずれも試験によりその性能が認められたものですので、その使用方法、取り付け方法は商品毎によく確認して取り扱い願います。
「剛」には「剛」
今まで兵庫県などでは、「限界耐力計算」による安全性の計算には耐震助成をおこなっていませんでした。が、平家モデルをはじめ、規定のソフトでその安全性が証明できる場合は有効になりました。(110309)ただ、チェックできる担当者の有無と、チェックに要する時間的な問題は残っているようです。
時間的に限界耐力計算での耐震診断・補強が通らない場合は、「一般診断」や「精密診断・保有耐力計算」によって安全性を確保しなければなりません。新築の構造基準と同じように、「剛」には「剛」で抗する必要がありますので、木筋交いや鉄筋&ターンバックル、構造用合板などで強固に強い壁、強い構面を作るしかありません。結果、古民家の縁側面などには多くの新しい壁が巡ることになり、「二間の柱間が襖で仕切られ・・・」も「両袖に柱と壁を加え・・・」とかなり閉鎖的な間取りになってしまいます。またそうした壁面を支えるRC基礎の設置や柱の脚部頭部の金物緊結も必至です。

柔と剛
堺市の山口家住宅(重文)では仮設的補強で、文化財的価値の温存を重んじる耐震補強が行われています。
この建物の場合、江戸前期から後期、また大正・昭和に渡る増改築の歴史が輻輳した構造となっているため、またそうしたものが一体となって現在の魅力ある姿を醸しているために耐震補強も一筋縄ではいかないようです。
そこで、ここでは「仮設的補強」という概念で、伝統木造という「柔」なるものに、鉄骨という「剛」なる力で補強を行っています。一見何も補強を行っていないように見えるのが味噌で、でも・・・、中に入ると最初は大空間に目を奪われるのですが、目が慣れてくるとあれっという所に鉄骨の柱があることに気付きます。さりげなく濃茶色の150-200角の鉄骨柱がど〜んと入っています。
この建物の場合、半解体の修理であったのですが、当初は限界耐力計算を基に間仕切り部分の見え隠れに荒壁パネルを設置して、壁による補強を試みたこともあったようですが、そうすると、本来ないはずのところに壁を作らねばならず、また荷重の伝達も本来のものとは違ってきてしまい、文化財としての姿を損なうことになると判断されたようです。では、毎日何人もの来訪者を安全に受け入れるためにどうすればいいか?
そこで考えられたのが、仮設的補強。鉄筋コンクリートの基礎をしっかりそなえ、自立する鉄骨柱が踏ん張って、建物全体が横に揺れた時のつっかえ・つっぱりになる考え方です。垂直方向の荷重は、木造部分で支えて、横揺れの時に過大な水平のストレスが木造を襲って崩壊してしまうのを防ぐ方法です。

横揺れは天井裏などの見えないところで、鉄骨やブレースを巡らせて鉄骨柱にその力を伝えます。そうすれば、木造部分が自立したまま、横揺れを被らずに建っていられるのです。
この構法のいいところは、いつでもその木造のオリジナル構法に戻すことができる点です。仮設的鉄骨構法の部分は元来の木造とは別に切り離してしまうことができるのです。黒子の添え木といえます。
文化財価値の高い建物の場合、その典拠(よりどころ)としての 真正性Authenticityを確実に残すことが大事だとの考え方です。
現実の民家にはコスト的な問題はもちろん難しい構法ではありますが、安全と真正性Authenticityの歩み寄りは必要かも知れません。
愛する建物をなんとかしたいとお考えで、何か困ったことがありましたら、見て回った各地の文化財の耐震補強の状況や、耐震診断員の仕事の中で実践したことの経験談ぐらいは話せますので、お気軽に連絡くださいね。
木造耐震シェルター
上記の完全現代化耐震法から、一線を画す構法が「木造耐震シェルター」です。一部を鋼材で補強した大きなフレームを等間隔に並べて「伏見稲荷の連続鳥居」の様な状態ものもを家屋の内部(部屋内)に入れ子にする、というものです。これによると、たとえ2階が崩壊しても、このボックスが残る、その中にさえいれば、まさしくシェルターとして身を守ってくれるというものです。
木造耐震シェルターを用いることで、部屋が狭くなりますが、常居の場に設置する、寝室に使う、万一の時にここに逃げ込むということで、身を守れる可能性を格段にアップさせることができます。
長屋のように隣家と構造体を共有していて、自分の方だけ勝手に構造補強することができない場合に有効、また、建物全体を万全に補強するよりずっと低価格だということです。
大阪市では、こうした長屋事情を踏まえ、また進まない伝統構法の建物の耐震化のために2009年3月から助成対象の「耐震改修工事」のリストにこの「木造耐震シェルター」を加えその推進をおこなっているようです。
仕口ダンパーについて
仕口ダンパーは粘弾性体(ゴムもどき)が互いに平行な2枚の鋼板(鉄板)に挟まれた構造のもので、このゴムと鉄板はよく接着しているので、2枚の鉄板が動こうとしたときに、中のゴムがむぎゅむぎゅと押され、捻られ変形を起こすことでエネルギー(地震力)を吸収する仕組みです。
この銀杏の葉っぱのようなものの直角の2辺を柱と梁(根絡みや差鴨居)に密着して取付け、その骨組みの大きな力をたくさんの仕口ダンパーがむぎゅむぎゅきしんで地震の揺れを吸い取って全体が大きく揺れて崩壊することを防ぐのです。
いかに骨組みにきっちり取り付けないと効力を発揮できないかを考えて取り付けましょう。取り付けに際して、本来のほぞや貫、もちろん、梁や柱を傷つけますので、健全にとりつけられるようにしないと、かえって構造をもろくしてしまいますので注意が必要です。

一般住宅(柱太さ12cmまで)・・・15cmタイプ
伝統的民家(柱太さ12-18cm)・・・20cmタイプ
社寺建築(柱太さ18cm以上)・・・30cmタイプ
伝統構法の建物は、建物自体が大きな変形にも耐える建物ですが、古い建物の場合、小さな地震でも、劣化が原因で弱いところが簡単に破綻する可能性があり、その場所が主要な構造部分であったとき、建物が一挙に崩壊する恐れがあります。これが伝統構法の恐ろしいところです。かといって、木筋交いや鉄筋&ターンバックル、ましてや合板で突然強固な壁を作って補強してはいけません。
「柔」には「柔」
建物の特性を考えて「限界耐力計算」によりその耐震性を診断した以上、その示す弱さがわかった場合は、「柔」には「柔」でもって抗すること。
ということで、耐震補強ツール(金物)としては、まず、劣化・損傷部分の補強と柱脚部の足固め(根絡み)を行った上で、「木材の変形やめり込み」と追随でき、それを補完できる「耐震部材」を使います。荒壁パネルや耐震リング・仕口ダンパー(QM含む)などの変形力を吸収する認定部材が好例です。
耐震リング・仕口ダンパーの難点は、ひとつずつの耐力が低く、これだけを補強要素に使うと大量に導入しなければならず、一カ所1万円とすると、50-100万円もかかります。また、目に入るところに使うとやはり目障りを感じます。しかたないですが・・・。

最近低価格化した仕口ダンパー使用の例(仕口ダンパーQMタイプ)
(メーカーは限界耐力計算に力を貸してくれるようです)
(メーカーは限界耐力計算に力を貸してくれるようです)
「仕口ダンパー」がオーソリティーですが、その他にも認定を持つ新製品も続々と発売されています。
いずれも試験によりその性能が認められたものですので、その使用方法、取り付け方法は商品毎によく確認して取り扱い願います。
「剛」には「剛」
今まで兵庫県などでは、「限界耐力計算」による安全性の計算には耐震助成をおこなっていませんでした。が、平家モデルをはじめ、規定のソフトでその安全性が証明できる場合は有効になりました。(110309)ただ、チェックできる担当者の有無と、チェックに要する時間的な問題は残っているようです。
時間的に限界耐力計算での耐震診断・補強が通らない場合は、「一般診断」や「精密診断・保有耐力計算」によって安全性を確保しなければなりません。新築の構造基準と同じように、「剛」には「剛」で抗する必要がありますので、木筋交いや鉄筋&ターンバックル、構造用合板などで強固に強い壁、強い構面を作るしかありません。結果、古民家の縁側面などには多くの新しい壁が巡ることになり、「二間の柱間が襖で仕切られ・・・」も「両袖に柱と壁を加え・・・」とかなり閉鎖的な間取りになってしまいます。またそうした壁面を支えるRC基礎の設置や柱の脚部頭部の金物緊結も必至です。

本来フリーな柱の脚部を頑丈につないだ根絡み(角材)の様子
こうして伝統構法は、安全に耐震補強を行うことで、大変な費用を掛け、伝統構法ではなくなることに。伝統構法の骨組みを内在させた新しい建物となるのです。![]() | 日本の伝統建築の構法―柔軟性と寿命 内田 祥哉 市ケ谷出版社 2009-10 by G-Tools |
柔と剛
堺市の山口家住宅(重文)では仮設的補強で、文化財的価値の温存を重んじる耐震補強が行われています。
山口家住宅メモ1966年指定。現在は堺市所有。桁行13.8m、梁間9.4m、一重、一部二階、南面及び東面庇付、切妻造、妻入、本瓦葺
時代区分: 江戸前期
越前屋山口久右衛門を代々名乗った家である。江戸時代はじめ、元和元年(一六一五)の大火の直後建てられたと考えられる家であって町屋としては特に古く、かつ民家としてすぐれた手法をもつ家である。 (堺市堺区錦之町東1-2-3)
この建物の場合、江戸前期から後期、また大正・昭和に渡る増改築の歴史が輻輳した構造となっているため、またそうしたものが一体となって現在の魅力ある姿を醸しているために耐震補強も一筋縄ではいかないようです。
そこで、ここでは「仮設的補強」という概念で、伝統木造という「柔」なるものに、鉄骨という「剛」なる力で補強を行っています。一見何も補強を行っていないように見えるのが味噌で、でも・・・、中に入ると最初は大空間に目を奪われるのですが、目が慣れてくるとあれっという所に鉄骨の柱があることに気付きます。さりげなく濃茶色の150-200角の鉄骨柱がど〜んと入っています。
この建物の場合、半解体の修理であったのですが、当初は限界耐力計算を基に間仕切り部分の見え隠れに荒壁パネルを設置して、壁による補強を試みたこともあったようですが、そうすると、本来ないはずのところに壁を作らねばならず、また荷重の伝達も本来のものとは違ってきてしまい、文化財としての姿を損なうことになると判断されたようです。では、毎日何人もの来訪者を安全に受け入れるためにどうすればいいか?
そこで考えられたのが、仮設的補強。鉄筋コンクリートの基礎をしっかりそなえ、自立する鉄骨柱が踏ん張って、建物全体が横に揺れた時のつっかえ・つっぱりになる考え方です。垂直方向の荷重は、木造部分で支えて、横揺れの時に過大な水平のストレスが木造を襲って崩壊してしまうのを防ぐ方法です。

堺市山口家住宅(重文)
横揺れは天井裏などの見えないところで、鉄骨やブレースを巡らせて鉄骨柱にその力を伝えます。そうすれば、木造部分が自立したまま、横揺れを被らずに建っていられるのです。
この構法のいいところは、いつでもその木造のオリジナル構法に戻すことができる点です。仮設的鉄骨構法の部分は元来の木造とは別に切り離してしまうことができるのです。黒子の添え木といえます。
文化財価値の高い建物の場合、その典拠(よりどころ)としての 真正性Authenticityを確実に残すことが大事だとの考え方です。
現実の民家にはコスト的な問題はもちろん難しい構法ではありますが、安全と真正性Authenticityの歩み寄りは必要かも知れません。
愛する建物をなんとかしたいとお考えで、何か困ったことがありましたら、見て回った各地の文化財の耐震補強の状況や、耐震診断員の仕事の中で実践したことの経験談ぐらいは話せますので、お気軽に連絡くださいね。
![]() | 大阪 地名の謎と歴史を訪ねて (ベスト新書) ベストセラーズ 2009-09-09 by G-Tools |
木造耐震シェルター
上記の完全現代化耐震法から、一線を画す構法が「木造耐震シェルター」です。一部を鋼材で補強した大きなフレームを等間隔に並べて「伏見稲荷の連続鳥居」の様な状態ものもを家屋の内部(部屋内)に入れ子にする、というものです。これによると、たとえ2階が崩壊しても、このボックスが残る、その中にさえいれば、まさしくシェルターとして身を守ってくれるというものです。
木造耐震シェルターを用いることで、部屋が狭くなりますが、常居の場に設置する、寝室に使う、万一の時にここに逃げ込むということで、身を守れる可能性を格段にアップさせることができます。
長屋のように隣家と構造体を共有していて、自分の方だけ勝手に構造補強することができない場合に有効、また、建物全体を万全に補強するよりずっと低価格だということです。
大阪市では、こうした長屋事情を踏まえ、また進まない伝統構法の建物の耐震化のために2009年3月から助成対象の「耐震改修工事」のリストにこの「木造耐震シェルター」を加えその推進をおこなっているようです。
![]() | 耐震補強-地震に強い家を実現する改修のノウハウ (日経ホームビルダー 住宅現場手帖) 日経BP社 2005-09 by G-Tools |
伝統構法の免震
伝統構法を耐震化すると往々にして、伝統建築のよさが損なわれます。開放的な柱間に壁が付き、直交する架梁にブレースの斜材が入ります。
これでは耐震改修しても改善になりません。
こんな場合の救世主が免震です。
たとえば、「鉄骨井桁組」で建物全体を揚げて、ステンレスボールを介してベタ基礎で受ける工法があります。
ゴムで受ける方法もありますが、これはボールの横滑りで力を逃がす方法で、地震での動いた後はテンション筋(ワイヤー)で元に戻る仕組みだそうで、床下スペースでメンテ可能です。
このほかにもどんどん新しい工法が試されていますので、情報収集してみてください。
登録文化財畑田家住宅の耐震補強
登録文化財畑田家住宅の耐震補強工事について>>
(PDF 西澤英和先生の解説です)
畑田家は、庄屋や村長を勤め村の経営に携わってきた旧家で、主屋はツシ2階のある規模の大きい民家。平面は標準的な田の字型になり、内部の架構も伝統的な技法になる。
が、改変も多く、転用材が散在することは、これまで住む継いだ証として目に入り、これもいろいろ想像を駆立て、ミステリアスで楽しい。
長屋門や板塀、堂々たる白漆喰塗の外観は、旧家の風格を良く伝えていて集落の記憶に残る景観を作っている。
今では、「住育」の場として当主や保存会の意志を受け止め、建物自身が語りかけてくれる。
畑田家鴨居と敷居の溝は切り止め
小屋見上げ
仕口ダンパーについて
仕口ダンパーは粘弾性体(ゴムもどき)が互いに平行な2枚の鋼板(鉄板)に挟まれた構造のもので、このゴムと鉄板はよく接着しているので、2枚の鉄板が動こうとしたときに、中のゴムがむぎゅむぎゅと押され、捻られ変形を起こすことでエネルギー(地震力)を吸収する仕組みです。
この銀杏の葉っぱのようなものの直角の2辺を柱と梁(根絡みや差鴨居)に密着して取付け、その骨組みの大きな力をたくさんの仕口ダンパーがむぎゅむぎゅきしんで地震の揺れを吸い取って全体が大きく揺れて崩壊することを防ぐのです。
いかに骨組みにきっちり取り付けないと効力を発揮できないかを考えて取り付けましょう。取り付けに際して、本来のほぞや貫、もちろん、梁や柱を傷つけますので、健全にとりつけられるようにしないと、かえって構造をもろくしてしまいますので注意が必要です。

QMタイプの仕口ダンパー
一般住宅(柱太さ12cmまで)・・・15cmタイプ
伝統的民家(柱太さ12-18cm)・・・20cmタイプ
社寺建築(柱太さ18cm以上)・・・30cmタイプ






