和の住まい設計:稲上建築設計事務所

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京唐紙と摺り師

身近な日本建築 > 住まいの匠
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 これは版木(板木)【はんぎ】です。朴や桂、桜の木を使うことが多いようです。「京唐紙」といわれる木版画を施した柄付きの襖紙を作るときに使います。もちろん数百年来使われてきた伝統の柄は唐紙屋の数百種ものストックから今日も営々と刷り上がります。
140420中筋家の唐紙
また彫り師に頼めば、どんな柄でもお望み次第でオリジナルの柄も可能です。3Dプリンタがあればなんでもできる時代ですが、さすがに歴史の厳しい目をくぐり抜けてきた伝統の柄は完成度が高く、品よく独特の「はんなり」(京都弁で雅で上品の意味)した味わいを兼ね備えているので、自分の好みのモノをじっくり探してみましょう。(二次使用の場合は、刷り元が著作権を主張している場合がありますので気をつけましょう)

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この版木で刷る紙には、有名な鳥の子紙(雁皮紙の一種)などがありますが、ここでは少し遊んでみます。

同じ襖紙でも地になる紙に淡い桃色の紙を使い、その上に呉粉(ゴフン:貝の粉でできた白い顔料)を刷毛引きしているところ(具引き)。白いと思っていた紙が、光線の具合で紙の地色の紅が透けてピンク色に見えたりと、目を楽しませてくれます。手法は古いものだが現代人にはうっとりする仕上げです。

無限に広がる創作の世界が、こうした職人のセンスで広がります。あなたもオリジナル襖を考えてみてはいかがでしょう。

箔押しの兎柄の唐紙
できあがった京唐紙の例(箔押しの兎柄の襖、引き手は陶器としゃれています)
モダンな柄で、現代和風にもよく合います
京唐紙「花兎」紋様
「花兎」と呼ばれる京唐紙。
この柄は大中小と応用され、それぞれに雰囲気が違います。
書院などの堅い場から町家のような柔らかい場までと、汎用性のある柄です。
花兎中
花兎小


唐紙再生に際して
近世の襖紙が残る屋敷の改修工事で襖紙の再生を試みました。まずは下地ごと切り取って唐紙屋をめぐりました。本式の唐紙となると京都でもあつかっているところが限られます。いずれもときには文化財修理も手掛け、見識の高いお店ばかりでした。

現物を見てもらって紙の種類、具引きのあるなし、顔料などの種類、雲母【きら】の有無、そして何より、同柄の版木をもち合わせているかを尋ねます。

京唐紙の版木の多くは京都の大火(天明8(1788)年)の時に焼失しており、ほとんどがその後の再版といわれています。天明ごろには定番の柄の多くができていたので、大火後同じような柄(同じでない!)を彫ったものが数百枚現在も使用されているということです。

幸い定番柄のなかに「よく似たもの」がみつかり、まずはそれを採用することに。

元の襖紙は今ではすっかり薄汚れグレイッシィになり、雲母の欠落もみられましたが、間似合紙に胡粉を具引きし、桐紋を版押ししたものとわかりましたので、今回は大判の紙(鳥の子紙)を使い具引きから再現することに決まりました。

具引きは襖紙の保護に効果があり雲母の定着もぐんとよくなり、柄が生きるとのアドバイスも頂戴しました。

さて、仕上がりが楽しみです。

140420中筋家の唐紙(再現)
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