和の住まい設計:稲上建築設計事務所

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関宿の町並みと曳き家

身近な日本建築 > 町家と町並み
東海道53次の47番目の宿場町として栄え、今に残る東西1.8kmの町並み「関宿」(せきじゅく)。ここは国の伝統的建造物群保存地区にも指定される『町家』の要所でもある。

関宿黄土の虫籠窓
黄土の土壁仕上げが目立つ町家のひとつ
町の中心は、『関の地蔵に振り袖着せて、奈良の大仏婿に取ろ』とのいわれ高い関地蔵院。その両側の街道沿いに西に『新所』西に『中町』、『木崎』へとそれぞれ特有の町並みを持つ。

関宿東海道と甍の町並み
関地蔵院を中心に東に下る東海道と甍の町並み
(関まちなみ資料館の展望用屋上から見る)

関宿鶴の漆喰細工 関宿漆喰細工の亀
鶴亀の漆喰細工が見られる町家
虫籠窓(ムシコマド:土壁で塗り込めた格子の窓)が連なる
こうした 「意匠・デザインの遊び」が町の成熟を思わせる

江戸時代には参勤交代や伊勢参りの人々で賑わう町には江戸〜明治時代に渡る古い建物が200余り残る。

関宿古風な町家 関宿町並み整備の爪痕
左:比較的古風な風情の『格子並み』(さまざまな格子が作る町並み)
右:町並み整備の『爪痕』
隣家の名残をとどめた町家の側面 空き地は駐車場か?

関宿改修後の晴れ晴れした町家 関宿旅籠玉屋歴史資料館
改修後の晴れ晴れした町家
(中ではきっと現代的な住まい方がされているのだろう)

かつて賑わった街道筋も、現在は残念ながら、観光にたよる映画のセット(=『書き割り』)が如く、「ともかく、町並みを残してみよう!」との政策が進んだ結果、何とか表層を持ちこたえているとしか言いようがない。

実際、プリミティブ(原初的)な意味で古風な町家が残る一方、充分こなれて『町家的手垢』(意匠的に充分な倦怠感)もあちこちに付き、また、現代の「保存されました」を絵で書いたようなモノまで、すべてが揃った町並みといえばわかりやすいかも知れない。

関宿鯉の軒飾り瓦
軒の瓦に見る「遊び」鯉の滝昇りと波
ここまで機能と離れて軒先に凝ることは、
おもしろいけど、さて、 上品だか下品だか・・・?

これは、実際に町並み保存に携わる方々には、到底、礼を尽くした表現ではないが、関宿保存の現況を過渡的に感じたそのままを申し上げたものである。

関宿江戸の末期的意匠の店舗
江戸の末期的意匠の『商店町家』

近年観光化がすっかり進み、訪れたときも、どこかの『天然テーマパーク』に訪れた感。でも、ボリューム、ディテール共、「民家&町家ウォッチャー」には何か見所のある町である。(2001.09.01取材)
書籍紹介:関宿-伝統的建造物群保存地区調査報告
古建築の細部文様


---------------関宿で見かけた曳家(ヒキヤ)について---------------
ただ一点、目を留めたのは、実際の『町家改修の現場』 。中町の「吉野屋」の東隣。
通りの表では母屋の全改修、裏では蔵の曳家が行われていた。

関宿ジャッキアップ足固め 関宿町家の基礎改修 関宿ジャッキアップその後
左:建物全体を水平に揚げるために柱間に渡した横材(半割の丸太)
中:地盤をすっかりコンクリートで固めた」工法
のため、建物ごとジャッキで揚げる
右:ジャッキで上がってしまった外壁の下には空間が見える

こうしてまで、甘汁を吸い尽くすかのように古きを「改修、利用、再生」するのが昨今の町並み保存の姿である 。

関宿土蔵の曳家 関宿曳き家準備の基礎
左:裏では蔵が大きく回転しながら新しい基礎へ曳き家の真っ最中
この大きな蔵の足下を鉄骨で固め、コロの要領で回転移動していく
右:左の蔵を据えるために母屋よりに作られた新しい基礎


------------「関宿」伝統のベストデザイン!------------
関宿木瓜型の虫籠窓
木瓜(モッコウ)型の虫籠窓

関宿のまちなみ館
全国伝統的建造物群保存地区協議会ホームページ
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