登録の概要(文化財データベースより)
登録番号: 29 - 0112
構造: 鉄筋コンクリート造2階建、建築面積157㎡
時代区分: 昭和前
年代: 昭和3年
所在地: 奈良県橿原市八木町1-501-2
登録基準: 造形の規範となっているもの
解説文: 近鉄橿原線八木西口駅近くに,国道に北面して建つ。両翼を薄く張り出したルネッサンス風の形態をとり,中央部の玄関とその上部の半円形窓の左右にイオニア式の円柱を配する。幾何学的な細部や玄関廻りタイルの芋目地貼等に新味が認められる。設計は舟橋俊一。
建築の解説
基壇部分をルネッサンス建築のようにルスティカ積み(粗石組み)とし、正面 にアーチとオリジナルデザインの大型双柱を持つ。2階建てで、左右はほぼ対称形である。一部当時流行りのスクラッチタイルや洗い出し仕上げの擬石仕上げが施されている他は、しっかり花崗岩を使用し、力を入れた造りとなっている。目線に近い部分である玄関廻りには特に意匠が凝らされている。



頂部のデザインも豊かで掘りの深いコーニス(軒蛇腹)とその上の立ち上がり部分に何らか象徴性のあるマーク(縦横斜め十文字)が並んでいる。また両脇の頂部にはメダリオン(卵形メダル)が配されバロック的な装飾性も感じられる。



秀逸はやはりジャイアントオーダーの意匠。ギリシャのイオニア式オーダーの柱頭部の元来渦状の部分を日本式というか中華風にと言うか「卍崩し」にアレンジし、しかも銅板で要部分を作り、かなりインパクトとオリジナリティあふれるデザインに仕上げている。
ここまでの意匠性、卍への入れ込みは大阪に残る近代建築と比べて、そのアイデンティティの強烈さにおいては決して引けを取らないといえる。近くの昭和8年に建てられた畝傍高校がいわゆる「帝冠様式」であった。そんな国粋主義的の昂揚する時代の洋風建築としても貴重な文化遺産と考えられる建物である。
さよならそしてこれから
戦後一次映画館として使われたとの証言もあり、時代の渦の中を今まで航海してきた苦労が偲ばれると言う意味でも希少な建築である。2004年7月14日その和歌山銀行としての航海を一旦終え、業務が終了、大和高田市北片塩町の高田支店に統合された。
現在、この貴重な建築遺産の保存と活用に向けた動きが出ている。外野の声(近代建築を保存したい人々)がより大きいムーブメントであるが、本当に存続を問い、またコレに答えるべきは地元の市井の人々であるべきである。なんだかつまらなくなってきている自分の町の姿を見据えて、他力でなく自力で、せめて意見を出してはいかがだろう。

記載に誤りがあれば是非お知らせ下さい お願いいたします (^。=)/
上記のお願いに寄せて、兵庫県西宮市のTさんより下記情報を頂戴いたしました!!
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社史「淺沼組 百年」に記載(写真付き)を見つけました。それによると、 昭和3年3月に六十八銀行八木支店として建設。これを設計するために名古屋高等工業専門学校建築科卒の舟橋俊一を雇い入 れて、浅沼組が施工したとのことです。
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Tさんは橿原市八木地区の近代建築として畝傍高校、JR畝傍駅、 和歌山銀行橿原支店、日本聖公会畝傍教会を挙げ、何度か訪れてくださっています。そして、この建物が残るようにとのメッセージを添えてくださいました。
ありがとうございました。これにより本文に修正を加えました。
これからも情報よろしくお願いいたします。







原簿記載年月日: 2006.10.18
名称: 旧六十八銀行八木支店 登録番号: 29 - 0112
構造: 鉄筋コンクリート造2階建、建築面積157㎡
時代区分: 昭和前
年代: 昭和3年
所在地: 奈良県橿原市八木町1-501-2
登録基準: 造形の規範となっているもの
解説文: 近鉄橿原線八木西口駅近くに,国道に北面して建つ。両翼を薄く張り出したルネッサンス風の形態をとり,中央部の玄関とその上部の半円形窓の左右にイオニア式の円柱を配する。幾何学的な細部や玄関廻りタイルの芋目地貼等に新味が認められる。設計は舟橋俊一。
建築の解説
基壇部分をルネッサンス建築のようにルスティカ積み(粗石組み)とし、正面 にアーチとオリジナルデザインの大型双柱を持つ。2階建てで、左右はほぼ対称形である。一部当時流行りのスクラッチタイルや洗い出し仕上げの擬石仕上げが施されている他は、しっかり花崗岩を使用し、力を入れた造りとなっている。目線に近い部分である玄関廻りには特に意匠が凝らされている。



左,中:脇の頂部のメダリオン 優美な渦模様
右:正面頂部の遠目には船の舵(ハンドル)に見える頂部立ち上がりのマークが五つ並ぶ
右:正面頂部の遠目には船の舵(ハンドル)に見える頂部立ち上がりのマークが五つ並ぶ
頂部のデザインも豊かで掘りの深いコーニス(軒蛇腹)とその上の立ち上がり部分に何らか象徴性のあるマーク(縦横斜め十文字)が並んでいる。また両脇の頂部にはメダリオン(卵形メダル)が配されバロック的な装飾性も感じられる。


左:ベースはイオニア式の柱頭を卍崩しに大胆にアレンジしている(銅板製)
右:柱の目線に近い部分に腕輪のように回された卍崩しの飾り やはり銅板製
右:柱の目線に近い部分に腕輪のように回された卍崩しの飾り やはり銅板製

現在の南都銀行本店(奈良市/旧第六十八銀行/大正15年長野宇平治設計)と同イオニア式の柱
秀逸はやはりジャイアントオーダーの意匠。ギリシャのイオニア式オーダーの柱頭部の元来渦状の部分を日本式というか中華風にと言うか「卍崩し」にアレンジし、しかも銅板で要部分を作り、かなりインパクトとオリジナリティあふれるデザインに仕上げている。
ここまでの意匠性、卍への入れ込みは大阪に残る近代建築と比べて、そのアイデンティティの強烈さにおいては決して引けを取らないといえる。近くの昭和8年に建てられた畝傍高校がいわゆる「帝冠様式」であった。そんな国粋主義的の昂揚する時代の洋風建築としても貴重な文化遺産と考えられる建物である。
さよならそしてこれから
戦後一次映画館として使われたとの証言もあり、時代の渦の中を今まで航海してきた苦労が偲ばれると言う意味でも希少な建築である。2004年7月14日その和歌山銀行としての航海を一旦終え、業務が終了、大和高田市北片塩町の高田支店に統合された。
現在、この貴重な建築遺産の保存と活用に向けた動きが出ている。外野の声(近代建築を保存したい人々)がより大きいムーブメントであるが、本当に存続を問い、またコレに答えるべきは地元の市井の人々であるべきである。なんだかつまらなくなってきている自分の町の姿を見据えて、他力でなく自力で、せめて意見を出してはいかがだろう。

しっかりと緻密な花崗岩 向こうは櫛引・スクラッチタイル
記載に誤りがあれば是非お知らせ下さい お願いいたします (^。=)/
上記のお願いに寄せて、兵庫県西宮市のTさんより下記情報を頂戴いたしました!!
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社史「淺沼組 百年」に記載(写真付き)を見つけました。それによると、 昭和3年3月に六十八銀行八木支店として建設。これを設計するために名古屋高等工業専門学校建築科卒の舟橋俊一を雇い入 れて、浅沼組が施工したとのことです。
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Tさんは橿原市八木地区の近代建築として畝傍高校、JR畝傍駅、 和歌山銀行橿原支店、日本聖公会畝傍教会を挙げ、何度か訪れてくださっています。そして、この建物が残るようにとのメッセージを添えてくださいました。
ありがとうございました。これにより本文に修正を加えました。
これからも情報よろしくお願いいたします。

銀行の銘板も降ろされ平日の昼間もシャッターが下りる。ああ、無冠の近代建築(040807撮影)
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