木造住宅の断熱改修(天井+畳下) DIY

>>紙張り障子の断熱 DIY

築50年の実家の断熱改修をDIYでトライしました。

天井裏に断熱材 工事前 DIY 天井裏に断熱材 工事後 DIY
天井裏に断熱材 工事の前後 DIY!

天井から冷気が降る家

コンクリート基礎に土壁、ヒノキ普請の在来工法の建物です。ちょうど伝統工法に近代工法が加味された風情の建物ですので、1階に関しては夏は涼しいかわりに、冬とても寒い家です。外部建具は、そのほとんどが今も木製建具。メインの居室には縁側が付くので、外気からは建具も二重にあることになりますが、ガラス戸越しにしんしんと外気(寒気)の気配があります。床は杉板ア15㎜に藁床の畳、天井は薄板を使った竿縁天井でその上はほぼ外気温の小屋裏です。底冷えと冷気降る野趣味いっぱいの家です。(畳際からの隙間かぜは相当です)

これまでも寒く感じるポイント(気密・断熱上の欠点)を少しずつつぶしていってるところで、今までに、硝子窓に「プチプチ」張り込みと板廊下にタイルカーペットの敷き込み、畳の上に断熱シートとカーペット敷きを試みました。それでも介護時の冬場は終日ガスストーブをずっと焚かねばなりません。部屋の暖気はストーブなどで補えますが、天井から降りてくる冷気は見えない雪を受けるかのようであることに閉口。よって今年は「ほぼ外気温」の小屋裏に断熱材を敷き込むことにしました。

通常ホームセンターには「五坪分の断熱材」がひと梱包で売られています。グラスファイバーをシートでくるんで幅45㎝長さ280㎝ぐらいを14枚がセットです。今回は問題の床の間仏壇付きの六帖の座敷(寝室)を中心に廊下の上までちょうど10帖(=約五坪)分を対象にDIYで施工しました。

小屋裏には廊下端の物入れの天井板が外れるようになっていましたので、そこからロールケーキのように丸め紐で巻いた断熱シートを一枚ずつあげていきます。小屋裏では2.5mぐらいの竹の棒を持った施工隊が待っていて六帖間の長辺手前にロールケーキをあてがい、一間半先の向こう側に向けて紐を解くことで、ころころと転がして敷いていく作戦を決行。ちょうど天井の竿の釣り木も45㎝ピッチでありましたので、六帖間の合計8枚があっという間に敷き込むことができました。途中で「よれたり」したら、竹の棒でつっついて修正します。シートの耳の部分が重なり合いシート間の隙間をなるべくないように敷いていくことで断熱効果を上げるように注意しました。

残りは床の間と仏間、そして廊下に敷き込みます。一部シートを切ってその場に応じて敷き込むことで、10帖分がぴしっと断熱材で覆うことができました。

事前に断熱シートを丸めて紐で巻いておくことと小屋裏に照明器具を置くことで施工の効率がぐっとあがり、結果、一時間弱の作業ですみました。

DIY 断熱材の施工上の注意

小屋裏はほこりだらけです。動きやすくよごれてもいい服装、柔らかいそこの運動靴であがるようにしてください。屋根の板から瓦釘がでていることもあるので、ヘルメットも必ずかぶってください。

また小屋裏にはむき出しの配線がありますので気をつけること、また当然ながら天井板は人の体重をかけてはひとたまりもありません、決して踏み抜くことなく慎重に構造部材(梁や桁)の上を歩くようにしてください。あげられるならば足場板(25cm×180cm厚さ4cm)を一枚用意することで助かることもありますのでご検討ください。

さて、敷き込み後まだ本格的な寒さを感じることなく、どれぐらい冷気が減ったかは、また報告します。161022→羽毛布団をまとったように暖気が部屋に残ります。夏場の遮熱も軽減されて、これはばっちり成功でしたよ。ハリハリチクチクするグラスウールよりも羊毛断熱材、セルロース系がいいとのご意見もいただきました。

DIY断熱工事の結果報告

2017年年明けから氷点下を下回る日があります。かつて雪が降るようにおりてきていた冷気がかなり緩和されたことは寝ていてよく感じます。

ダウンウエアーまではいきませんが、ウールのカーディガンをはおった程度には暖かく感じます。それとかなり念入りに敷き込んだお陰で、すきま風を緩和できたようです。

ダウンウエアーの効果を求めるなら、ホームセンターで流通している100㎜の断熱材を二重にすることをおすすめします。その際は、合わさる側のビニルシートははずすようにしてくださいね。

質問:防湿フィルム付きグラスウールの使用?

答え:うちは土壁で、屋根にも土が載っています。
天井板も薄い合板で貴邸のように天井裏は冷気・冷風が入ります。これと同じシチュエーションなら、よほど室内に水蒸気が充満しない限り結露まではいかないのではと、思います。(石油ストーブなどにヤカンを掛けて一日中暖房するともしかすると問題かも知れません。)

結露が少なからず進めば、天井板に変化が出てくると思いますので観察されてはと思います。

「吹付け発泡」タイプの断熱材

「アイシネン」を初めとする吹き付け発泡タイプの断熱材を採用するにあたっては、効果抜群でかつその素材が湿気をもシャットアウトしてくれるメリットがあり、施工当初の満足度は抜群だそうです。

本件でも見積検討はしましたが、床下に入りにくい現場の状況と、足場や仮設に別途工務店さんにお願いする事項があるのがわかり断念したわけです。

ただ人件費、仮設費(足場など)、高額な材料代の問題の他に、伝統木造建築にありがちな軸組の微妙な動きに発泡剤が追随できない場合に亀裂が入りそこが通気孔(=冷気が逃げる隙間)となる懸念、また次の改修の時に「へばりついた」この断熱材の扱いに往生するといったデメリットがあるということです。(170119辻先生のレクチャーによる)

畳下の断熱を考える

古い家の畳下には何があるか?

通常は新聞紙の下に荒床といわれる厚さ15mmほどの杉板が木端を接して敷かれています(根太に釘打ち)。床板はカンナ掛けしていない荒木で木も縮んで板と板の間には当然隙間があります。よって床下の冷気が畳の敷き合わせからすぅっと入ってきます。自然の通気でもありますが湿気も上がってきます。

現在のところ一番おすすめなのが、外壁の下地に使うような透湿防水シートを敷き詰め、その上にたとえ数mmでもいいからできたら8mmの断熱シートを敷くというものです。

畳下の床板の隙間もさることながら、壁際や敷居下に案外大きな隙間がありますので、そのあたりをしっかり塞ぐと効果大と思われますの。今年はこれに挑戦してまたお知らせします。

さて畳断熱の失敗談

畳の上にホットカーペットを使っている方、ホットカーペットの熱が逃げないように、畳との間にアルミ膜のついた薄い断熱シートを敷いていませんか?プチエコの代表ですね。

冬の初め、に昨冬からそれらを敷きっぱなしにしていませんか?湿気の多い一夏を経て、今になって気になってシートを下を見てみたら、あれれ、かび臭いおまけに畳の一部にシロアリの食べた痕がポチポチ・・・。あっと思ったときに時すでに遅し、でした。

常住まいでない介護の時に帰る実家ではこうした、ほったらかしが起こります。反省をして、ここに皆様に注意喚起させていただきます。

プチプチや断熱シートは湿気を通しません。自然素材の住まいには本来なじまないのは承知の上ですが、さらに、季節毎に変わる湿度や温度を考えて、適時適材適所を心がけて、よりエコ、そして快適にお過ごしください。

これからのリノベーション 断熱・気密編

古屋のよさを生かして、その寒さ・暑さ・隙間対策を考えます。理論から実践、DIYまでとても役立つ一冊です。

フローリング床の断熱DIY

昭和後期の中古住宅でのDIYです。木調のフローリングの床裏には断熱材を施工しなかった時期の建物です。タイルカーペットで体感温度は緩和されていましたが、冬場の冷え込みには往生していました。

まずは現状調査。40×40㎜の根太がちょうど303㎜ピッチで入っていたので、新築仕様のフクビ化学工業の「フクフォーム」を採用。2本のスリットと挿入方向にテーパーがついていて、ほぼ道具なし、受け材設置も無しで施工できました。

床下には照明器具を設置します。埃が振ってくるのでゴーグル(水泳用のものに曇り止め)は必ず必要とわかりました。もちろん前進作業着で靴も履いての作業です。幸い「土間コン」が打ってありましたので「」、床下での移動は、キャスター付き板を使って快適にすいすいとできました。背面移動や上を向きながらの作業ですのでヘルメット着用します。根絡みはできたら外すと移動と作業が格段に楽になります。もちろん作業後には元通り根絡みを設置しておきましょう。

問題は隅の火打ちあたりや、配線・配管をうまくクリアできると約八畳分が補助一人いてくれれば、作業時間1.5時間でできるでしょう。>>畳下の冷気をやっつける

フクフォーム(床下用)データ

熱伝導率0.040W/m・K
材質:ビーズ法ポリスチレンフォーム
製品寸法:45×269×950mm
熱抵抗値:0.8㎡・K/W
メーカー:フクビ化学工業㈱
価格:ホームセンターで、2坪(24枚入)/梱で約3400円

床下から張り上げるフクフォームEco

畳の床下に入り込む元気のあるかたは、大引き間に床下から張り上げるフクフォームEcoのリフォーム工法(根太無工法用床下断熱材熱伝導率0.040)をご検討ください。>>フクフォームEcoのリフォーム工法

フクビ フクフォームEco(根太無し工法用)尺モジュール E-2235K型 格子組 3.5寸大引き間用 サイズ 内寸797.5㎜~805㎜に対応・・・大引きサイズに応じて各種ありますので、ゆっくりご検討ください。

1階の天井裏の断熱

耐震改修で金物補強をしたり床板を合板に張替える際に、2階から1階の天井裏に断熱材を敷き込むことで長い時間過ごす1階のリビングの天井から降る冷気を留めてみました。

2階から1階天井裏への断熱材敷き込み