旧ハンター邸の金物

220925旧ハンター邸_ベランダ_引違い戸

美麗な建物で、キラキラ硝子のベランダのダイヤ型硝子割りは、日本の色紙窓やお多福窓の意匠と比べて異国館が夢のようである。

文化庁解説より:明治40年にイギリス人エドワード・ハンターが自分の住宅の洋館として建てたものであるが、これは新築でなく、明治23年に建てられた建築を移したものである。昭和38年兵庫県に寄贈され、現地に移築された。英国ヴィクトリア朝風の様式を正しく伝えていて、明治時代洋風住宅として、特にすぐれたものである。(注、ハンターは神戸に住んだ企業家で彼がはじめた造船所は現日立造船の前身にあたる。)木造、建築面積269.8m2、2階建、一部3階、スレート葺

 

220925旧ハンター邸 階段室のバランス窓の紐掛け 220925旧ハンター邸 ドア 握り玉

左:バランス窓のオペレーターである紐掛け金物 右:握り玉

輸入金物を留めるビスはマイナスビス。一部の金物に「MTC」のマーク。開口部は一部引き込みや引違いの日本になじみのある仕様(開き勝手)が含まれるが、個室を囲む建具の金物はがっちり輸入仕様で守られている(防犯、防災上)。

今回気がついたのは、個室の欄間の換気窓。上げ下げ操作で横軸回転の欄間を押し引きして開閉しかつその位置をキープ(固定)できる。

220925旧ハンター邸 欄間押し出し窓のオペレーター(上) 220925旧ハンター邸 欄間押し出し窓のオペレーター(下)

珍しい金物としては、ベランダ引違い戸のスライド戸車。

220925旧ハンター邸_ベランダ_引違い戸_戸車

このスリットを戸車の芯がスライドし、多分なめらかに戸が動くのではないだろうか。