江戸時代の長屋で宿泊施設

相談

長屋の一軒で宿泊施設をしたいと思っています。
中部地方の某市、江戸時代の長屋の一軒の活用を目指しています。
歴史的な建造物としても貴重と思うので、登録文化財にできないか考えています。

200813東吉野村小川の町家建築 宿泊施設への活用

相談点を整理しますと、

  • 江戸時代の歴史的な特徴を残した建造物の活用を考えている
  • 活用する用途としては、宿泊施設
  • 資金不足なので、補助金を探している
  • 登録文化財になると補助金が出るときいたが・・・

1.スケジュールの問題

登録文化財にするには、最低でも半年、通常1-2年はかかる

2.所有者同意の問題

三軒長屋でそれぞれ所有者、賃借人がいるケース・・・登録文化財の手続き上、建築物の所有者の同意が必要

>>登録文化財にするには

3.登録文化財にするのは改修後か

できたら改修前に文化財課などに見てもらいその状況を図面や写真、所見で記録しておくことで、改修後もオリジナルの文化財性を尊重していることを示すことで、改修後の姿で登録ができる

2024年登録したケースでは、大改修を前に登録も叶ったので、ケースバイケース。改修補助を得るための登録文化財化も普通の時代に突入。補助したい行政。受けたい民間の出会いもの。

4.登録文化財の補助金

文化庁に文化遺産を活用した地域活性化に係る取組への支援がある>令和2年度地域文化財総合活用推進事業
観光に資する改修に対して数百万、予算取りには前年夏までに市町村に相談が必要、よって1-2年はかかるので注意。

>>登録文化財のメリット

5.登録文化財を目指すに当たって、どのように改修したらいいか

改修に際して気をつけることは(文化財性をそこなわない改修に際しての注意点を知りたい)→まずは文化財としての価値評価をしてからじっくりとりくみましょう

6.その他の補助金

  • 文化芸術活動に対する補助金・・・文書調べや、建物を使った文化芸術活動に補助
  • 空き家改修補助
  • 観光や地域活性化など起業支援系の補助
  • 耐震改修支援事業による耐震改修への補助
  • 景観系補助

7.その他のアドバイス

  • 宿泊施設が行えるエリアか都市計画法や建基法上のチェックが必要
    どんな宿泊施設かで手続きも違うので注意・・・旅館、簡易宿所、民泊、定期借家型?
  • お客様への安全・快適を提供しましょう(耐震診断や温熱環境、コロナ衛生対策)
  • 地域をよく知る建築士やヘリテージマネージャーを訪ねる
  • 地域のまちづくり支援団体を訪ねる
  • 地域の同様な施設に聞いてみる
  • 登録文化財にならなくても、その建物を愛し、活かしたい気持ちは伝わります