木造住宅の耐震 地盤の補強

地盤の補強対策

建ったまま改修の際の軟弱地盤や液状化対策には、地盤改良やベタ基礎の設置がある。
斜面崩壊の対策には、アースアンカーや杭基礎の設置などがあるが、大掛かりなものとなることが多く、敷地周辺の環境整備も併せて計画する必要がある。

地盤改良
液状化の危険性のある表層部の軟弱な砂地盤を、モルタル固化材(グラウトや樹脂)を混合するこ改良方法で、浅層混合改良処理工法、柱状改良工法(高圧噴射撹拌工法など)などがある。

鉄筋コンクリート造ベタ基礎の設置
液状化現象が生じた際に上部の建物に大きな変位が加わらないよう、「盤」の上に載せるための鉄筋コンクリート造ベタ基礎を設置する。

既存の布基礎の補強
煉瓦造や石造といった組積造布基礎や無筋のコンクリート基礎を、内側から鉄筋コンクリート造布基礎で補強する方法。

杭基礎の設置
液状化や沈下現象が生じた際に建物が不同沈下を生じないよう、基礎下に鋼管杭を設置するアンダーピニング工法(小型の機材で既存建物を反力に鋼管杭を打ち込む技術)など曳家の技術がいろいろある。

010901関宿の蔵の曳家(移動)
010901関宿の蔵の曳家(移動)

 

沈下修正
曳家の技術で土台から上をジャッキアップして水平に近づける方法。20坪あたり40基以上のジャッキを使う。

お役立ち本の紹介

住宅地盤がわかる本 安全な地盤の基礎・設計の考え方

2014/10/18 藤井 衛 (著), 金 哲鎬 (著), 渡辺 佳勝 (著)

住宅地盤に関するトラブル、困ったときの1冊!
建築設計者、施工者を対象に「安全な地盤とは何か」という視点から、地盤の基礎、調査方法、補強方法等についてのまとめました。地図の見方、現地調査や文献調査の際に特に留意するべき点、軟弱地盤の見極め方、データの収集方法と読み取り方、調査結果の活用方法等、実際の作業の流れにそって地盤の安全についてのチェックポイントを徹底解説。住宅地盤について厳選してまとめているので、知りたいときにすぐに使える書籍です。

知っておきたい斜面のはなしQ&A 2

2022/1/20土木学会地盤工学委員会 斜面工学研究小委員会「知っておきたい斜面のはなしQ&A2」編集委員会

特に裁判例などの具体例が豊富なまさしく実用本です。