みどりの缶詰建築

能勢電鉄妙見口から新緑があふれ、山が笑う黒川に向かいました。道中、今研究中の缶詰建築を多数発見することができましたので記録します。

能勢町 みどりの缶詰民家

茅葺き民家にトタンをかぶせてパッケージすることを茅葺き職人さんらが「缶詰」とよんでいます。今日発見のこの民家は缶詰でしかも色はみどり。このあたりで緑は景観色との認識のようですが、現在の景観業界で「緑はタブー」とされています。自然色を人工的に使うととても不自然だからでしょう。

でもなぜかここなら許せる、所有者のやさしさを感じる新緑の能勢路にたたずむ緑の缶詰民家でした。

川西市 緑の缶詰旅館

さて、さらに歩いて、妙見ケーブル下です。このあたりには数軒の古民家が建っています。その中でもこれは大正後期築の三階建ての旅館です。茅葺きではありませんが、波板のトタンをまとい、みごとな缶詰建築として余生を送っている建物です。

パレットに絞り出した水彩絵の具の「みどり」そのままの色と質感がパーフェクトな仕上がりです。ある意味、一般的な景観色である「こげ茶」にしなくてよかったですね。

川西市 緑の基礎石 蛇紋岩

これはその隣に建つ土蔵です。最近建物に使われている石の種類にも注目しています。この基礎石は、阪神間でよく使われる「竜山石」のなかでも緑石かと思いましたが、よくみると蛇紋岩にも見える緑色の花崗岩のようです。切石と言うより割石。この蔵は、母屋よりもう少し古いかもしれません。急斜面の背後の山にV字の彫刻刀で沢を切り込んだようなもとの地形をわずかに造成して建てられた蔵。

さてこの緑の石はどこからきたのでしょうか?

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茅葺き文化は蘇るか

急速に姿を消しているとはいえ、いまだ10万棟あまりの茅葺き民家が現存する。
農家が茅葺きであることの意味、家畜を飼い薪をエネルギーとする暮らしが、その共同の営みが茅葺き民家なのである。
技能の継承が危ぶまれた茅葺き職人も、ようやく若い後継者が各地で育ち始めた。