民家の「たたき」と「とんとん」

奈良県今井町の借家 100年は経つだろうか、踏みしめられた土間三和土【たたき】。草履の底で磨き上げられたようにも見える。

奈良県今井町の借家 屋根野地見上げたところ。垂木に割竹をまばらに渡してとんとん(杉皮)を敷く。これで瓦の土葺きができる。杮【こけら】板(スギ・サワラなどを「輪切り→みかん割→板へぎ(剥ぐ)→乾燥」という工程で杮を剥ぎ出して作る厚さ3mm程度の薄い板。耐水性と耐久性に優れた日本の伝統的な屋根材・屋根下地材で耐水性あるが耐火性がない)を使う場合もあるが、この地域(中南和)は杉皮のとんとんだ。そのとんとんを受ける横木にも木材やその加工を調達するより、しなやかでそこかしこにある竹を使っている(簡略な普請、借家普請にはこれで十分、さらすなど下地処理する。ここでは竈で燻されてすす竹になっている)。濡れても乾く杉皮がやさしく葺き土をキャッチして、小修理しながらこれで100年ぐらいは保【も】ってしまうからびっくり。写真はさすがに修理せずほっておいたときの惨状(雨が漏っている)。

通り庭の上、火袋越しに屋根野地見上げたとところ。壁はかまどの煤でほどよく真っ黒、竹はこんがりと煤竹に。月日が建物を燻蒸する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA