湿気に悩む家 DIYから

ゲリラ豪雨が襲う昨今の日本列島、ここも同様、かつてないほどに床下に湿気、いや「水が揚ってくる」ようになりました。近くにできた大型の公共建築建設で地下水位、その経路(水道・みずみち)が変わったのではとの推測もしたくなるほどです。

コンクリートには抵抗感

「古民家再生」的見地からは、建物全体を上に上げる=「揚げ前」をして鉄筋コンクリートのベタ基礎布設、その下に防湿フィルムを敷き込むことで、湿気対策をするのが常道なのですが、この度は建物の床下、本来は土であるべき所にラップを掛け、その上に人造石とは考えることができるととはいえ「コンクリート」で固めてしまうことには所有者の抵抗が大きくありました。

1案目 防水透湿シートと調湿炭や調湿石

床下の湿気防止 調湿炭・調湿石 古民家再生

コンクリートを流すことをやめ、床下に防水透湿シートを敷き込み、その上に調湿効果のある軽石をおきました。これで床下の通気を心がければ、あの「じめっ」とした感じが少しでも緩和されるかと期待。でも大きな成果が上がらず次を検討。

2案目 井戸を排水ピットに利用

ますは、建物の水上【みずかみ】側にある井戸の水位を常に低くしておくよう、センサー付きの排水ポンプを設置しました。建築工事でいうところの「排水ピット」代わりに敷地内の井戸を使ったわけです。

元々水位が高く、建物の地盤から30cmに届くところまで水位が上がることもあったため、これは少しは効果があったようで、極端な「水付き」状態はその後起きていません。ただ土間の湿気のある状況はぬぐいきれず次の策を練りました。

3案目 有孔管で集水→横排水

庭の排水  砕石パイルで地下排水

建物周囲の水上側の水路を断ち、流れを導く壕のような排水溝を掘り埋め戻すことも提案しました。建物奥への進入路がなく、また、庭の植木への影響も懸念され断念。

有孔管で排水
有孔管で集水→横排水

4案目 砕石パイル

次の策が「砕石パイル」で、水を受け湿る地表に近い地層からその下の通水層のある地層へ「竪に排水を促す」方法です。電信柱ぐらいの直径で7m程掘り下げ、砕石を詰め込んで工事は終了。(この敷地では井戸水の水位や近くのボーリングデータから通水層を想定できました)

砕石パイル(竪穴通水管)

砕石パイル(竪穴通水管)

結果、以上のそれぞれが、いくらかの排水には役立って状況は改善されているようです。