古家の解体 メリット・デメリット

200712東多田夢勝庵

登録文化財の所有者です。

屋敷の中で居間ではほとんど使っていない米蔵があります。屋根瓦のずれがあり雨漏りもしているようで、屋根修理に結構費用がかかるとのことです。今まで維持してきましたが今後の維持費のことを考えると解体を使用可と思います。どのように判断すべきかお教えください。

古家の解体

維持か解体かの判断材料

  • 解体後、敷地内に何か増築したいときにそれが10㎡以上のときは建築確認が必要です。
  • 最近はちょっとした建築行為にもコンプライアンスが求められます。近隣からの通報もあります。
  • 修理・改修は概ね、建築確認は不要です。
  • 今後新築(増築)時の建築確認の際に、母屋や蔵等の既存建物の法適合性の調査が必要な場合があり(最近は厳しい)、不適合の場合(古い建物はほとんどが不適合)、是正工事を指導されることがあります。その程度は行政によって違います。
  • 古い建物はどう改修しても固定資産税がそのままですが、新築(増築)建物は固定資産税等が高いです(古くなるほど下がる仕組み)。新築(増築)は不動産取得税もかかります。

屋根の修理

  • 解体すると少しでも税金が下がる可能性があります。(除却届等は解体業者にお聞きください)
  • 古い建物は今回の屋根の葺き替えのように維持費がずっとかかります。
  • が、屋根があるだけの使い道もあります。改修により新たな使い道が広がることもあり得ます。
  • 今は不要な建物でも文化財上、景観上など別の見立てで大事に感じる建物の場合、少し解体を留保して、簡易なまた仮設的な修理で延命を図ってみてください。
  • 今後、その離れの建っているスペースが「庭等のオープンスペースとしての使い道」が妥当なら解体されていいと思います。
  • 5-10~年先を見通して要・不要を決めてくださればと思います。

以上を秤に掛けて、屋敷全体の今後のために要・不要を決めてくださればと思います。

030529草津の瓦

また解体する場合は、瓦を敷き瓦に、大きな梁をベンチに、また建具はテーブルなどにも使えます。リユースは工夫して楽しんでください。

思いつくままですが、参考になればと思います。