カテゴリー: 和風金物
ばったり床几について
図は軒下で商うミセの様子(西国三十三所名所図絵 西8-35長谷寺より半里西にある黒崎村の饅頭屋)。こうした物売り台・棚が町家のおもてに固定されてばったり床几(上げ下げ・折りたたみ式)になる。(現在の奈...
登録文化財 焼杉塀の修理
京都北裏白川のほとりにある「並河靖之七宝記念館」(2001年、登録文化財) 七宝作家並河靖之の自邸です。明治26年築の表屋造で、表側はせがいの軒に虫籠窓、名栗の駒寄せといった伝統的な京町家の構えを...
村野藤吾設計 N邸の引き手考
京都東山にかつてあった名建築の引き手です。 左:木瓜型の縦使いの渋い銀引き手 地袋ふすまは「卍に梅鉢」の絹地で控えめ右:京唐紙(鳥の子に宝相華)に赤銅の丸に、底は「渦(右巴)」の引き手 上質だがいばら...
猿の蝉 「和かなもの」の魅力
四天王寺元三大師堂 桟唐戸のサル(落とし) 蝉のつまみ 扉の戸締まりのための金具の紹介です。 四天王寺元三大師堂【がんざんだいしどう】 江戸前期、元和9(1623)年、桁行三間、梁間三間、一重、寄棟造...
残念な改修 和風金物編 春日若宮
春日大社摂社若宮神社細殿及び神楽殿の北面扉の釘隠です。左が2011年、右が2015年の写真です。ぴっかぴっかになった四葉。 惜しい補修の例でしょうか?それとも息長く保全するための方法でしょうか? ...
日本建築と金物
和風金物のはじまり 日本建築における最初の金物といえば、木造の補強材である釘ではないでしょうか。 日本が誇る木造建築のすぐれたものは釘一本使っていないといわれたりしますが、実際は奈良時代以前の金属の加...
八双金物奇譚 春日若宮と奈良今西家
奈良今西家の扉の八双金物。りんとした輝き、鉄金具の美しさ、なめらかさがあふれています。 今西家書院は、近世は室町中期(1393-1466頃)の建物で、入母屋造、軒唐破風付、檜皮及び桟瓦葺。 同じ奈...
『和風金物の実際』について
改訂版へのまえがき 1995年の大震災の頃から本の制作に入り、初版は1998年に世に出していただきました。ありがたいことに、その後わずか5年で初版本は完売に至りました。その間、ご高覧いただいた方々...