登録文化財 焼杉塀の修理

181108並河靖之七宝記念館の焼杉板の塀 181108焼杉の修理 並河靖之七宝記念館の焼杉板の塀2

京都北裏白川のほとりにある「並河靖之七宝記念館」(2001年、登録文化財)

七宝作家並河靖之の自邸です。明治26年築の表屋造で、表側はせがいの軒に虫籠窓、名栗の駒寄せといった伝統的な京町家の構えをもっています。日露戦争前ならではの「良材を用い瀟洒な意匠」でまとめられるが、内法寸法(鴨居や天井)が高いこと、庭園に面する縁先には総「昔硝子」の入った建具とるなど「新時代」の要素がみられ、工芸家の近代和風ともいえる建物です。外観だけでもその京粋が伝わってきます。

が、老朽化への対処はやはり大変なようです。かつての焼杉板は巾も広く、厚みも厚い。今、修理するとなると朽ちた足下だけを繕うように、しかも既製サイズの狭い幅の焼杉板でしなくてはならない。さすがに「和釘」(皆折釘)はなるべく再用を心がけておられます。細やかにメンテナンスされているのにほっといたしました。

焼杉板の補修>>http://www.kazabito.com/1452
焼杉板と石積み>>http://www.kazabito.com/1660

191217大阪鶴見区の色分け土蔵 焼杉壁のおもしろ景観

古堤街道と枝切街道(小坂街道)の交差点中茶屋の土蔵です。なぜか斜交いに塗装された「はすかい塗り」の 焼杉外壁 です。意見の価値あり。(古堤街道は、京橋から寝屋川の北側を、今福、鶴見、横堤と寝屋川に沿って東進し、古川を渡って徳庵で枝切街道と交差、中茶屋を経て北鴻池町(大東市)に入る。 小坂街道は、 河内と摂津の国を結ぶ街道のひとつ。)