布基礎が外周にだけ 耐震補強の方法

Q.相談 評点アップの方法

130210神戸T邸_玉石基礎の家

昭和30年代築の田舎建て(農村住宅風の伝統建築)の耐震改修です。外観はツシ2階式だが実態は平屋。田の字型の間取りで、南・北面に縁がつき壁量の偏りのある建物です。

戦後建築なのでせめて布基礎かと思いきや、外周にしか布基礎がなく、内部は全て玉石基礎(石場建て)です。一般診断を使って耐震補強して評点1.0を目指したいのですが、どうしたらいいでしょうか?

081002K邸_外周にしか布基礎がない家

180525K邸_上郡の耐震補強_玉石基礎

A.答え

内部玉石基礎は一般診断での基礎評価はⅢ、外周無筋コンクリート布基礎は一般診断での基礎評価はⅡ。間取りの工夫で内壁の多くを合板で固めて補強しても評点が大きく上がりません。建物を揚げ(建物をジャッキアップする)て新に布基礎やベタ基礎敷設するのが1番ですが、予算もあるとのこと。

柱・玉石を触らず、地面を掘らずに鉄筋入りのコンクリートで玉石ごと地面を固めてしまいましょう(玉石混じりのベタ基礎)。また柱の下部を繋ぐ横架材として足固めを設置し、足固めから下を筋かいや合板で固めます。その上柱か足固めを敷設したRC基礎に金物で緊結します。

そうすることで玉石基礎Ⅲを無筋布基礎並みの基礎Ⅱと評価でき(建防協仕様)、構造計算に算入できますので、合板補強した壁がより効果的に評点に結びつくことになります。

手間はかかりますし、工事後の床下は非常に窮屈になりますが、評点を上げるひとつの方法となります。

こうした建物は水平構面も弱いので、縁平面を母屋平面ときちっと一体化することが大切です。

140307加古川O邸_玉石基礎の残る例

140307加古川O邸_天井までの土壁の例

ちなみにこの年代の建物の土壁の付け方は独特ですので、耐震要素に算入する際は天井裏も調査が必要です。

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林 康裕 (著)

【目次】
まえがき

  1. 伝統構法と安全性の基本
    1.1 伝統木造建物のいろいろ
    1.2 伝統構法は「総持ち」で成り立っている
    1.3 安全性の物差し(指標)とはどのようなものか
    1.4 重要な構造部材は柱・梁と接合部

2.地震・地震動と伝統構法の被害
2.1 地震と地震動は区別する必要がある
2.2 海の地震と陸の地震の違いとは
2.3木造耐震化の歴史
2.4伝統構法建物の地震被害

3.地面と建物の揺れ方を知る
3.1 地震の種類と地面の揺れ
3.2 建物の揺れ方

4.伝統構法の壊れ方
4.1 壊れ方の基本法則
4.2 接合部の壊れ方
4.3 垂壁付き柱の壊れ方
4.4 伝統構法は滑って免震しない
4.5 柱の歩きと建物の滑りの違い
4.6 柱通しと梁通し
4.7 理解したい架構の抵抗特性・変形特性

5.耐震診断の考え方と耐震補強のポイント
5.1 耐震診断とは
5.2 耐震診断のポイントと注意点(限界耐力計算を中心として)
5.3 補強時のポイントと注意点
5.4 耐震診断・耐震補強のチェックリスト

6.知っておきたい安全性の調べ方・考え方
6.1 微動計測の使い道
6.2 木材の強度を傷つけないで調べる
6.3 建物の潰れ方(崩壊形)を調べる
6.4 通し柱効果を考慮した限界耐力計算

  1. 理論とデータで学ぶ伝統木造の安全性
    7.1 1自由度系の振動特性の基本
    7.2 限界耐力計算における地震荷重
    7.3 性能等価応答スペクトルによる最大応答変形の略算
    7.4 地震荷重の今後
    7.5 京町家の構造調査

参考文献

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